現在は携帯電話が普及していますが、万が一、海上でエンジントラブルや事故、ケガなど緊急事態が発生した時に、落ち着いて電話番号を押したり、登録してある家族や友達の番号を呼び出したりのスマホの操作が困難になります。その点、無線機はマイクを握ればすぐに話せますから緊急時に大変便利なアイテムと言えます。
無線機器を使用する船舶は一つの無線局と見なされます。したがって無線機器を設置する船舶は無線局として総務大臣又は総合通信局長の免許(承認)を受けなければなりません。無線局の免許(承認)を受けずに使用すると法律で罰せられます。無線機器とは無線機(送受信機)やレーダーなどのことです。
もちろん機器を運用するには操作資格も必要です。海の場合は3級以上の海上特殊無線技士資格 ※1 が必要です。
※国際VHFの固定機(25W)には2級以上が必要レーダーは出力5KW未満のものであれば操作資格は不要ですが無線局の免許(承認)は必要です。(小型船に搭載されるレーダーはほとんど出力5KW未満です)
また、無線局の免許の期限は5年です。継続して使用する場合は5年毎に再免許申請し、免許(承認)を受けなければなりません。
当社はこの無線局の新設(開局)申請、再免許申請、変更や廃局の申請も全て代行いたします。数年に1度ある登録点検も行います。
大型船(総トン数20トン以上)などに搭載されるGMDSS ※2 機器の販売、積み付け、取り外し、定期点検も行っています。
※1)3級海上特殊無線技士資格 …
船舶に施設する空中線電力5W以下の無線電話で25010kHz以上の周波数の電波を使用するものの国内通信のための通信操作及びその無線電話の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作。また、船舶局及び船舶のための無線航行局の空中線電力5kW以下のレーダーの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作するための国家資格。
※2)GMDSS …
国際海事機関(IMO)が推進している「海上における遭難及び安全に関する世界的な制度」Global Maritime Distress and Safety Systemの略称で「全世界的海上安全制度」ともいう。インマルサット衛星通信設備及び非常用位置指示無線標識装置などの高度な電子技術により自動化、デジタル化された機器を使用して、確実で簡易な送受信を可能とした通信体制のこと。